なりたいになってる?
ショートやボブって、ほんの数ミリ、毛先ひとつで印象がガラッと変わる繊細なスタイルですよね。美容室に行ったのに「なんか違う…」って経験、きっと一度や二度じゃないはず。せっかく勇気を出してスタイルチェンジしたのに、鏡を見るたびにちょっぴり残念な気持ちになるのは、本当に勿体ない!
スタイリストの目線から正直にお話しすると、ショートやボブがお客様のイメージ通りにならないのには、大きく分けて二つの理由があるんです。
理由その1:言葉の迷宮!?カウンセリングの落とし穴
「可愛い感じ」「ふんわりしたボブ」「前下がりで大人っぽく」…。お客様が思い描く理想のスタイルは、言葉だけではなかなかスタイリストに100%伝わりきらないことが多いんです。まるで違う言語を話しているみたいに、お互いのイメージがぼんやりとしたままカットがスタートしてしまうこともしばしば。
たとえば、「可愛い」という言葉ひとつ取っても、お客様が想像する「可愛い」と、スタイリストが受け取る「可愛い」には、微妙なニュアンスの違いがあるかもしれません。シルエットの丸み、前髪の長さ、全体の軽さ…。細部に宿る「可愛い」の定義は、人それぞれ違うもの。
もしカウンセリングが、今日の天気の話や最近のトレンドをなぞるだけで終わってしまったら、それは危険信号です!お客様のライフスタイル、髪質、骨格、そして何よりも「どんな自分になりたいか」という想いを、スタイリストがしっかりと受け止められていない可能性があるからです。
まるで目的地を決めずに旅に出るように、曖昧なイメージのままカットを進めてしまうのは、まさに運試し。素敵なゴールにたどり着けることもありますが、「あれ?ここどこ?」なんて迷子になってしまうことだって少なくありません。
理由その2:技術の引き出し、足りてますか?
お客様とスタイリストの間で理想のイメージが完璧に共有できたとしても、残念ながら、それを形にできる技術がスタイリストに備わっているとは限りません。
美容師免許は、あくまでスタートライン。トレンドは常に変化し、お客様の求めるスタイルも多様化しています。昨日と同じ切り方で、今日のお客様の理想を叶えられるとは限りません。
たとえば、一口に「ボブ」と言っても、グラデーションボブ、レイヤーボブ、切りっぱなしボブなど、その種類は多岐にわたります。それぞれのカットには、繊細な技術と深い理解が必要です。毛先の質感ひとつにしても、レザーを使うのか、ハサミの入れ方を変えるのかで、仕上がりは全く別物になります。
まるで料理人が、レシピを知っていても実際に美味しい料理を作れるとは限らないのと同じ。日々の練習や研究を怠っていては、お客様の理想を「見て描いた絵」で終わらせてしまう可能性があります。
私自身も、お客様の「なりたい」を叶えるために、日々 (トレーニング)と (勉強)を重ねています。新しいカット技法を学んだり、様々な髪質や骨格に合わせたカットの研究をしたり…。それでも、まだまだ進化の途中だと感じています。
だからこそ、ショートやボブは「誰でも切れる」けれど、「イメージ通りに切れる」スタイリストは、ほんの一握りなのかもしれません。
でも、どうか諦めないでください!
私たちスタイリストは、お客様の「変わりたい」という気持ちを、誰よりも応援したいと思っています。そのためには、お客様との丁寧なコミュニケーションが不可欠です。
もしあなたが次に美容室に行くときには、遠慮せずにあなたの理想のスタイルを言葉で、写真で、そしてあなたの想いで、私たちに伝えてください。なりたいイメージが曖昧な場合は、一緒に相談しながら理想のスタイルを見つけていきましょう。
そして私も、お客様の期待に応えられるよう、常に技術を磨き、知識をアップデートしていくことをお約束します。
「今日の私、なんだか素敵!」そう思って笑顔で帰っていただけることが、私たちにとって何よりの喜びだから。
ショートやボブは、あなたの魅力を最大限に引き出す魔法のスタイルです。その魔法をかけることができるのは、お客様とスタイリストの二人三脚があってこそ。
ぜひ、一緒に、最高の「似合う」を見つけにきてください。心からお待ちしています!