カラーってうまくいかない!

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理想と現実のギャップに悶絶!「#ブリーチなしで透明感」の罠

「え、ちょ待って!インスタで見たあの透き通るような儚げカラー、ブリーチなしでイケるって書いてあったじゃん!」意気揚々とドラッグストアでアッシュ系のカラー剤をゲットし、いざセルフカラーに挑戦!丁寧に塗り塗り、時間を置いてドキドキしながら洗い流すと鏡に映る自分は、なんだかちょっとくすんだ、深みのあるオリーブグリーン?「あれ?透明感どこ行った?むしろ渋み増しちゃったんですけど!」

そうなんです。「#ブリーチなしで透明感」という甘美な響きには、しばしば落とし穴が潜んでいるのです。まるで、ダイエット広告の「一週間で−5kg!」みたいな、夢を見させてくれるキャッチコピー。もちろん、地毛の色素がもともと薄い方や、ほんのりニュアンスチェンジしたい方には合う場合もあるでしょう。しかし、多くの日本人の髪は、メラニン色素という名の頑固な住人が、その奥底にどっしりと居座っているのです。

彼ら(メラニン色素)は、赤みやオレンジみを帯びていることが多く、そこにアッシュ系のカラー剤を重ねても、打ち消しきれずに濁ってしまうことが多いのです。例えるなら、薄いグレーの絵の具を、茶色い画用紙に塗るようなもの。「あれ?なんか思ったより地味」ってなりますよね?インスタのフィルター越しに見る夢のような透明感は、多くの場合、ブリーチという名の「下地処理」があってこそ実現するものなのです。

そして、「ブリーチ1回で憧れの水色に!」という野望を抱いた、そこのあなた!気持ちは痛いほどよく分かります。まるで、初めてのおつかいで目的地に一直線に向かう子供のように、純粋でまっすぐな思い。「水色が好き!だから水色のカラー剤を塗れば、水色になるはず!」しかし、髪の毛の世界は、そんな単純な方程式では成り立たないのです。

髪はキャンバス!ベースカラーという名の土台作りが超重要

ここで、ちょっと冷静になって考えてみましょう。髪の毛は、まるで一枚の白い画用紙のようなもの。その上にどんな色を塗るかで、最終的な発色が大きく左右されます。もし画用紙が真っ白ではなく、うっすらと黄色や茶色がかっていたら?どんなに鮮やかな青色の絵の具を塗っても、クリアな水色にはなりにくいですよね。

そう、ヘアカラーにおいて「ベースの色」というのは、めちゃくちゃ重要なのです!ブリーチは、この画用紙の色を明るくする、いわば「キャンバスを整える」ための作業。どれだけ明るくするかによって、その上に重ねる色の発色が変わってくるのです。

そして、ここでカラーの基本のキが登場!色は基本的に、赤・青・黄の三原色を混ぜ合わせることで作られています。私たちが普段目にしている様々なヘアカラーも、この三原色の絶妙な配合によって生み出されているのです。

例えば、アッシュ系のカラーは、青色の要素を多く含んでいます。しかし、ベースに赤みが強く残っていると、青と赤が混ざって、紫っぽくくすんだ色になってしまうことがあります。グレージュも同様に、グレー(これも青や黒を混ぜた色)を綺麗に発色させるためには、ベースの黄色みをしっかり抑える必要があるのです。

巷で人気のミルクティーカラーを例に挙げましょう。あのまろやかで優しい色合いは、ベースがかなり明るい17トーン(これはあくまで目安で、髪質によってはブリーチを2回以上する場合もあります)まで脱色された、ほぼ白に近い状態に、ほんのり薄い茶色、というかベージュを重ねることで生まれます。想像してみてください。濃い茶色の画用紙に、薄いベージュの絵の具を塗っても、ほとんど色はわからないですよね?ベースをしっかり明るくするからこそ、あの繊細な色味が表現できるのです

カラーは足し算と引き算!理想の色への道のりは意外と複雑!?

つまり、私たちがやりたいと思っている色は、そのまま髪にポンッと塗れば完成するわけではないのです!それは、まるで料理のレシピのように、いくつかの工程と材料の組み合わせが必要になります。

「透明感のあるアッシュにしたい!」という願いを叶えるためには、まずベースの赤みをブリーチで「引き算」し、そこに青みのあるアッシュ系のカラー剤を「足し算」する。

「透き通るような水色にしたい!」のであれば、黄色みを徹底的に「引き算」して、限りなく白に近いベースを作り、そこにクリアな青色のカラー剤を「足し算」する。

ミルクティーカラーだって、「ガッツリとメラニン色素をブリーチで引き算」して、「ほんのりベージュを足し算」する、というわけです。

このように、ヘアカラーは、単に色を塗るだけでなく、ベースの色をコントロールする「引き算」の工程と、理想の色を重ねる「足し算」の工程が組み合わさって、初めて思い通りの仕上がりになることが多いのです。

だから、インスタで見かける素敵なヘアカラーの裏側には、美容師さんの知識と経験、そして何よりも「ベースをどれだけ明るくするか」「どんな色味を重ねるか」という緻密な計算があるのです。

もし次にヘアカラーに挑戦する際は、この「髪は画用紙」「カラーは足し算と引き算」の法則をちょっと思い出してみてください。そして、理想のカラーを叶えるためには、美容師さんとじっくり相談することが、何よりも近道なのかもしれませんね!「インスタのあの色、マジで可愛いんですけど!私の髪で再現するには、どうしたら良いですかね?」と、遠慮なくプロの意見を聞いてみるのが吉ですよ!

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